屋久島の観光・見所,来島時の留意事項について紹介しています。

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屋久島の植物ガイド

毎月,その月に屋久島で見られる植物を紹介します。この植物ガイドはその月の実際の調査結果に基づき,海岸や道路沿い,林道や登山道などで,花や実の見られる主な植物を紹介します。(屋久島環境文化財団発行「屋久島の植物ガイド」より)


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屋久島の植物ガイド【10月】
この月の様子 植物相 里地 海岸 低地 低山地 中~高山地

◆ 屋久島の【10月】 ◆


 10月の屋久島は秋真っ盛り,海岸沿いにはダンチクやススキの穂,サキシマフヨウやシロノセンダングサなどの花が見頃です。
 さて,万葉集に山上憶良が詠んだ秋の七草は,萩(はぎ)が花(ヤマハギ),尾花(おばな)(ススキ),葛(くず)花(クズ),なでしこの花(ナデシコ),女郎花(オミナエシ),藤袴(フジバカマ),朝貌(あさがお)(キキョウ)です。屋久島にはこのうち3種(ヤマハギ,ススキ,クズ)が自生しています。
 標高1000m以上では,10月中旬頃から紅葉が見頃になります。ナナカマドやマルバヤマシグレ,ヤクシマオナガカエデなどの赤や黄色に色づいた葉が青空に映え実に見事です。屋久島の紅葉は,高所帯に始まり,日毎に低地へ下ってきます。西部林道沿いでは12月中旬頃まで楽しめます。
ススキと宮之浦全景

秋風に揺れるススキと街並み[宮之浦]


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◆ 屋久島【10月】の植物相 ◆

ヤクシマダケ草原帯
1800m以上
 山頂部はもう晩秋の気配。ヤクザサ帯はススキの穂や紅葉が点在する。肌寒い風が吹きつけ,真冬並の気温(4~5℃)まで下がるので注意しよう。 高所植物の花期はほぼ終わり,花はあまり見られない
スギ樹林帯
800mから1800m
 スギに混じってモミ,ツガなどの針葉樹やヒメシャラ,ヤマグルマなどの広葉樹が生える。登山道ではナナカマド,マルバヤマシグレ,カナクギノキ,ヤクシマオナガカエデなどの紅葉が10月中旬頃から見頃。
照葉樹林帯
0~1000m
 スダジイやアカガシなどの常緑広葉樹林は,濃緑色の葉で覆われ,深い森を形成する。 花は,ハシカンボク,ヤクシマショウマ,ホソバハグマ,ミヤマウズラなど。実はスダジイやアブラギリ,アカメガシワなど。 
海岸~低地
0~100m
 海岸近くにはホソバワダンやヤクシソウの黄色い花,低地の県道沿いではサキシマフヨウのピンクの花, シロノセンダングサやツルソバの白い花も今が盛り,また,ダンチクなどイネ科やカヤツリグサ科の花 も咲きそろいます。

山の図(秋)

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◆屋久島【10月】の里近くでみられる植物◆

ポイントのGIFツルソバ(たで科・花期5~11月)低地[永田]
ツルソバ
ポイントのGIF海岸や低地に生える多年草。茎は横に伸びて分岐し,つる状となる。葉は卵形夏から秋にかけて白色の小さな花を集めてつけ,花後,黒色の実がなる。花がソバに似て,つる状であるため,ツルソバの名がある。方言「イモンメ」。                  柔らかい新芽は塩もみして食べられる子供の頃,食べた人も多いだろう。よく似たイタドリは屋久島にはなかったが,最近,県道沿いで見られるようになった。
ポイントのGIFサキシマフヨウ(あおい科・花期7~12月)海岸~低地[高平]
ポイントのGIF海岸や低地に生える落葉低木。海岸沿いや道路脇に普通に見られる。高さ2~3m葉はやや広く,葉裏に白い毛が密生する。   枝先に白や薄いピンクの径 10~13cm程の大形の花を広げ,澄んだ青空に映える。1日花で日毎に新しい花が咲く。花弁は5枚。蕾は濃いピンクで鮮やか。
 10月の運動会の頃が満開となる。屋久島の秋を代表する花の1つ。
サキシマフヨウ
ポイントのGIFヤクシソウ(きく料・花期10~12月)海岸~低地[麦生]
ヤクシソウ
ポイントのGIF海岸沿いの道路脇に多い多年草。茎は直立し1m前後。よく枝分かれし,枝先に径1.5cm程の舌状の集まった黄色い頭状花を多数つける。茎を折ると白い汁が出る。  根元付近の葉は葉柄があるが,上部の 葉は葉柄がなく,互生して茎を抱く。これを薬師如来の後盾に見立てて薬師草の名があるという説もある。
ポイントのGIダンチク(いね料・花期9~10月)低地[栗生]
ポイントのGIF海岸や低地に生える大形の多年草。高さ3~5m程にもなる。茎は中空で,葉は互生で線形。茎頂に大形の超楕円形の花穂を出し,多数の小穂が密につき紫色を帯びる。その姿はサトウキビや大形のヨシという感じ。別名「タケヨシ」。
 方言で「ダチク」と呼び,屋久島ではもち米に小豆を入れ,この葉で三角形に包み,アク汁で煮てツノマキを作る。

ダンチク

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◆屋久島の【10月】海岸付近で見られる植物◆
(標高0~100m)

ポイントのGIFシマチカラシバ(いね科,花期8~11月)深川海岸
シマチカラシバ
海岸の岩場に生える多年草。高さ30~40cm程。株を作り,多くの葉が密生する。普通のチカラシバに比べて,全体小形で,葉が細く,ススキ状で淡緑色の花穂を出す。  チカラシバは「力芝」で,草の根が引き抜いてもなかなか抜けないのでこの名がある。
 この種も同様,岩場にしっかり根を下ろしている。和名は島に生えるチカラシバの意。
ポイントのGIホソバワダン(きく科,花期10~12月)尾之間
ポイントのGIF海岸近くの低地や岩場に生える多年草。根元の葉はロゼット状で,30~40cmの木化した茎の先に黄色い花を多数つける。同時期に花の見られるヤクシソウと花がよく似るが,葉や茎で見分ける。
 ワダンはワタナのなまりで,ワタは海のこと。「海岸の菜」の意。根元のさじ形の葉は食べられる。
ホソバワダン

海岸~低地(標高0~100m)
(花)
・ノアサガオ ・ハマビワ ・マルバグミ  
・ウラジロフジウツギ ・モミジバヒルガオ
・オニヤブマオ

(実)
・アコウ ・ガジュマル ・シャリンバイ
・アオノクマタケラン ・トベラ ・クサトベラ
・ウバメガシ ・アオギリ ・ハマヒサカキ
 など

海岸
(花)
イソマツ ・ イソフサギ
・オオキダチハマグルマ  など

(実)
・テリハノイバラ ・スナヅル ・ハマゴウ
・ソナレムグラ  など

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◆屋久島【10月】の海岸~低地で見られる植物◆
(標高0~100m) 
ポイントのGIFシロノセンダングサ(きく科,花期ほぼ1年中) 麦生
シロノセンダングサ
ポイントのGIF海岸や低地の道路脇に普通に見られる多年草。高さ30~50cm程で,枝先に径3cm程の純白の花を咲かせる。しばしば群落を作り,園芸種のようにきれいである。    
 ほぼ1年中見られるが,見頃は10月頃。別名「タチアワユキセンダングサ」。
 屋久島には,全体小形で花も小さいコシロノセンダングサや帰化植物で白い花弁がないアメリカセンダングサなどがある。
ポイントのGIオオバボンテンカ(あおい科,花期8~10月)高平
ポイントのGIF低地の道脇に生える草状の小低木。高さ1m程。葉柄や花部などに灰白色の星状毛が密生する。葉は広卵形で浅い切れ込みが5~7つある。
 夏から秋にかけて,葉の脇に径2~3cmのピンク色のきれいな花を1個ずつつける。花弁は5枚,真中に花柱が伸び,小形だがフヨウやハイビスカスと同じ形態である。

オオバボンテンカ
ポイントのGIFシマイボクサ(つゆくさ科,花期9~10月) 尾之間温泉
シマイボクサ
ポイントのGIF低地の日当たりのよい場所や土手に生える多年草。茎は下部で枝分かれして横にはう。葉は革質で柔らかい葉が互生。高さ20cm程で,枝先に淡い丸っこい青紫色の3弁の花をつける。
  和名はこの草をイボにつけると取れることからこの名がついた。
 普通のイボクサは水田や湿地に生え,花は白色にうす紅がかかり,花弁がとがっている。
ポイントのGIヘクソカズラ(あかね科,花期6~10月) 宮之浦
ポイントのGIF低地のどこにでも普通に見られるつる性の多年草。木やフェンスに絡みつき繁茂する。葉は卵形~広披針形で対生につく。もむと臭いにおいがするので,屁糞(ヘクソ)なんて哀れな名がついた。
 名前とは対照的に,筒状花は白と赤の対比がとても美しい。花の形がお灸(キュウ)に似るので,別名,灸花(ヤイトバナ)とか,早乙女花(サオトメバナ)などと呼ばれたりする。

ヘクソカズラ
ポイントのGIF その他

低地
(花)
・クマノギク ・ゲンノショウコ ・ツルマオ
・ツルボ ・ハマスゲ ・トキワカンゾウ 
・アキノノゲシ ・ウスベニニガナ ・ミゾソバ
・キツネノマゴ ・ムラサキカッコウアザミ
・シバハギ ・キハギ ・ユーカリ 
・ヤクシマカンアオイ ・ヤハズソウ

(実)
・ピラカンサ ・アキグミ ・カラスウリ
・トサムラサキ ・アキエノコロ 
・モクタチバナ ・アマクサギ 
・オナモミ・ゴンズイ  など

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◆屋久島【10月】の低地~低山地で見られる植物◆
(標高500m以下) 

ポイントのGIFヒキオコシ (しそ科,花期9~10月)麦生
ヒキオコシ
ポイントのGIF山野や野原に生える多年草。高さ1~1.5m前後,しそ科特有の四角い茎,対生する葉,唇形の白い小花が穂状に咲く。
 昔,弘法大師が腹痛に苦しんでいる旅人にこの草を飲ませたところすぐ回復したという起死回生の伝説から,「引き起こし」という名がついた。別名「延命草」。腹痛等に効用があり,漢方では苦味健胃として使われる。
ポイントのGIヤマヒヨドリ (きく科,花期9~11月)尾之間
ポイントのGIF海岸や低地の道路脇に普通に見られる多年草。高さ50~100cm程,茎は少し赤みを帯びる。葉は対生,長楕円形で鋸歯がある。枝先に白い小さな花を散房花序につける。時に淡紅色の花もある。
 標高500m以上には,高さ30~40cm,葉が深く切れ込み,淡紅紫色の花をつけるヤクシマヒヨドリがある。
 和名はヒヨドリがよく鳴く頃に咲くのでその名があるという。

ヤマヒヨドリ
ポイントのGIFリュウキュウルリミノキ(あかね科,花期9~10月,果期10~12月)尾之間歩道
リュウキュウルリミノキ
ポイントのGIF種子・屋久を分布の北限とする亜熱帯性の常緑低木。高さ1~1.5m程,茎は細く,細い枝に薄い革質の長楕円形の葉が対生につく。低山地のやや薄暗い森の中で見かける。
 秋頃,葉の脇に筒状の白い小花をつける。花は径5mm程で,多数の毛がある。花後,美しいるり色の実をつけることからこの名がある。花と実を同時に見るときもある。別名「タシロルリミノキ」。
 和名は,オミナエシ(女郎花)に対して男性的であるためにオトコエシの名がある。若葉は山菜にする。
ポイントのGIミヤマウズラ(らん科,花期9~10月)尾之間歩道
ポイントのGIF低地の薄暗い林内に生える多年草。スダジイなどの生える照葉樹林内によく見られる。高さ15~20cm程,葉は根元にまとまってつき,灰緑色で白い斑点をつける。この斑点をウズラ(鶉)の羽に見立て。和名は「深山鶉」(ミヤマウズラ)で,山に生える鶉の意。花茎に白色または淡紅色の花を5~10個つける。低山地が照葉樹林から杉林に変わり,その数も少なくなった。
ミヤマウマズラ

低地~低山地
(花)
・ヤッコソウ ・オトコエシ ・チャノキ
・ヤクシマノギク ・ススキ ・キンミズヒキ
・ヒメノボタン ・イヌザンショウ 
・ハシカンボク  

(実)
・クマノミズキ ・ウラジロエノキ
・アカメガシワ ・スダジイ ・イヌザンショウ
・イイギリ ・ナンバンキブシ
・ウラジロメダラ ・リュウキュウマメガキ
・センリョウ など

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◆屋久島【10月】の中山地~高地で見られる植物◆
(標高500~1900m付近) 

ポイントのGIFナナカマド (ばら科,花期4~6月,果期9~11月)  安房林道(淀川登山口~ヤクスギランド)
ナナカマド
ポイントのGIF山地に生える落葉低木。高さ10m前後。屋久島では標高500m~1700m付近まで見られ,5月頃,枝先に白い花を房状にびしりとつけ,秋には真っ赤な実が紅葉とともに目を引く。屋久島の秋を代表する紅葉の1つで,白骨化したスギなどに着生し,真っ赤に紅葉した姿は実に見事。
 和名は,材が燃えにくく,7回かまどに入れても燃え残るということから「七竈(ナナカマド)」。本州に広く分布し,九州を飛び越えて屋久島に自生する。
ポイントのGIFその他

中山地~高地
(花)
・ヤクシマショウマ ・カンツワブキ
・ハナヤマツルリンドウ
・ヤクシマダイモンジソウ 
・ヤクシマツルリンドウ
・イッスンキンカ ・ヤクシマヒヨドリ
・ヤクシマナミキ ・ヤクシマシオガマ
・ツクシゼリ ・ホソバハグマ
・キッコウハグマ

(実)
・ヤクシマオナガカエデ ・ユズリハ
・タンナサワフタギ ・ヤマグルマ
・マルバヤマシグレ ・メギ ・アクシバモキ
・ヒメカカラ ・ミヤマシキミ ・アオキ
・ヤクシマヒメバライチゴ 
・ヒメツルアリドオシ ・サルトリイバラ など

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