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屋久島の植物ガイド

毎月,その月に屋久島で見られる植物を紹介します。この植物ガイドはその月の実際の調査結果に基づき,海岸や道路沿い,林道や登山道などで,花や実の見られる主な植物を紹介します。(屋久島環境文化財団発行「屋久島の植物ガイド」より)


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屋久島の植物ガイド【12月】
この月の様子 植物相 里地 海岸 低地 低山地 中~高山地

◆ 屋久島の【12月】 ◆


 12月,屋久島では紅葉シーズンも終わり,いよいよ南の島にも冬の到来です。県道沿いでは,黄色いツワブキの花のほか,ヤクシソウやツルソバ,シロノセンダングサなどの花が咲いています。
また,赤や黄色に色づいた樹の実を目当てにメジロやヒヨドリなどの冬鳥も数多く姿を見せるようになりました。
島の北側では,北西の季節風が吹き,山頂付近では積雪も見られます。また,島の南側や海岸付近ではわりと暖かく,スミレなど春の花が顔を出し,一足早く春の装いに変わります。
 12月は島の基幹作物ポンカンの収穫期,農家は猫の手も借りたい忙しさ。多忙な年末の一休みに,春や秋も同居する不思議な屋久島の冬を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ポンカンの実(永田)

収穫期を迎えたポンカン[永田]


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◆ 屋久島【12月】の植物相 ◆

ヤクシマダケ草原帯
1800m以上
  山頂部はもう冬の気配。ヤクザサ帯はススキの穂や枯草が点在する。肌寒い風が吹きつけ,気温は氷点下となり,霜と氷の世界。積雪も見られるので登山には注意しよう。
スギ樹林帯
800mから1800m
 スギに混じってモミ,ツガなどの針葉樹やヒメシャラ,ヤマグルマなどの広葉樹が生える。
落葉樹の紅葉もほぼ終わり,登山道では花はほとんどなく,実はナナカマドやサルトリイバラなど。
照葉樹林帯
0~1000m
  スダジイやアカガシなどの常緑広葉樹林は,濃緑色の葉で覆われ,深い森を形成する。花は,サザンカ,カンツワブキ,キッコウハグマ,ホソバハグマなど。実は,ミヤマシキミ,テンナンショウ,フユイチゴなど。
海岸~低地
0~100m
 低地の県道沿いでは,ツワブキの黄色い花が盛り。また,ホソバワダンやヤクシソウの黄色い花,サキシマフヨウのピンクの花,シロノセンダングサやツルソバの白い花。その他,ハゼもみじや赤い実をつけたイイギリやモクタチバナなどの木の実も楽しめる。

山の図(冬)
標高スライド図

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◆屋久島【12月】の里近くでみられる植物◆

ポイントのGIFセンリョウ(せんりょう科,花期5~6月,果期10~12月) 低地~低山地  [宮之浦]
センリョウ
ポイントのGIF低山地の林内に生える常緑小低木。高さ1m程。葉は対生で革質,縁に鋭い鋸歯がある。冬,枝先に径6~7mmの赤い実をまとまってつける。和名は「千両」で,生花にすると金が貯まるというので,マンリョウ(万両)と共に正月の縁起物として床の間に活ける。
マンリョウは実が下向きに,センリョウは上向きにつく。屋久島では橙色の実が多く,時々実が黄色いキミノセンリョウもある。
ポイントのGIFカミヤツデ (うこぎ科,花期11~12月) 低地 [小瀬田]
ポイントのGIF海岸近くの道路脇に生える中国原産の常緑低木。高さ2~3m程。ヤツデに似るが,葉がひとまわり大きく,7~9つに深く切れ込む。葉の表裏に腺毛が密生しており,葉の裏は茶色に見える。11月頃,輪生した葉の間から茶色い花茎を伸ばし,円錐花序をつける。枝分かれした枝先に径3cm程のヤツデに似た白い花玉を多数つける。和名は「紙八手」で,別名「通脱木」(ツウダツボク)。茎の髄を紙の原料に使った。
カミヤツデ
ポイントのGIFハマヒサカキ (つばき科,花期11~12月,果期11~1月)  海岸~低地 [恋泊]
ハマヒサカキ
ポイントのGIF暖地の海岸近くに生える常緑低木。高さ4~5m程,浜に生えるヒサカキの意。よく枝を分け,葉が密につくので,屋久島では家や畑の生垣によく使われる。小枝をお墓や仏壇の緑化としても使う。
 初冬に白い小花を枝の下いっぱいに咲かせ1年後に黒く熟す。だから同時期に花も実も見られる。実はメジロやヒヨドリの餌になる。方言「ケタンキ」
ポイントのGIイイギリ (いいぎり科,花期4~5月,果期12~3月) 低地~低山地 [西部林道]
ポイントのGIF暖地の林内に生える落葉高木。高さ15m程。屋久島では,標高100~500m付近の林道脇に時折見かける。
 春,枝先に円錐花序をつけ多数の緑黄色の花を下向きにつけるが,あまり目立たない。しかし,冬の樹林内で鮮やかな赤い実をたわわにつけた姿は一際目を引く。雌雄異株。
 和名は「飯桐」(いいぎり)で,昔この広い葉で飯を包んだことからこの名がある。

イイギリ

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◆屋久島の【12月】海岸付近で見られる植物◆
(標高0~100m)

ポイントのGIF その他

海岸
(花)
イソマツ ・イソフサギ シマチカラシバ
・オオキダチハマグルマ

(実)
・テリハノイバラ ・スナヅル 
・ハマゴウ ・ソナレムグラなど

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◆屋久島【12月】の海岸~低地で見られる植物◆
(標高0~100m) 
ポイントのGIFモミジバヒルガオ(ひるがお科,花期ほぼ1年中) 永田
モミジバヒルガオ
ポイントのGIF熱帯アメリカ原産のつる性の多年草。屋久島が分布の北限。海岸に近いやぶなどでたまに見かける。
 葉がモミジのように5枚に裂けている(掌状複葉)のでこの名がある。花は紅紫色で径6cm程,アサガオと同形の花をつける。繁殖力は旺盛で,やぶや木を覆うほど成長する。よく似たノアサガオとは葉の形と花の色で見分ける。
ポイントのGIノアサガオ (ひるがお科,花期ほぼ1年中) [尾之間]
ポイントのGIF海岸の草地や低地のやぶに見られる暖 帯系のつる性多年草。紀伊半島,四国,九州の南部以南に分布する。屋久島ではごく普通に見られる。
 朝顔といえば夏の花だが,この種は屋久島の海岸付近では,ほぼ1年中花をつけている。花は径6~7cm程,一日花で,朝は鮮やかな青紫色,昼にはやや赤みを帯び,夕方にはしぼむ。時に白花も見られる。葉はサツマイモの葉に似る。和名は野に生えるアサガオの意。
ノアサガオ
ポイントのGIFブッソウゲ(ハイビスカス) (あおい科,花期ほぼ1年中) [永田]
ブッソウゲ(ハイビスカス)
ポイントのGIF中国南部原産の常緑低木。ハワイの州花でもある。県本土南端以南から奄美,沖縄にかけて広く植栽される。南国の太陽 や情熱を象徴する花として好まれている。
 もともと鮮紅色の一重咲きだが,今ではピンク,橙色,黄色,八重咲きなど改良が進み,3000品種を超える。寒さに弱く内地では冬を越せない。
 屋久島では江戸時代から記録があり,海岸線の道路沿いに植栽され,ほぼ1年中花を咲かせる。和名「扶桑花」
ポイントのGIキンギンナスビ (なす科,花期5~6月,果期8~12月) [麦生海岸]
ポイントのGIF南アメリカ原産の帰化植物。明治初期頃,日本に移入,観賞用に栽培された。屋久島では海岸近くのやぶに生える。春から夏にかけて,ナス科特有の径1cm程の白い花を下向きにつける。実は始めは白地に緑の縦縞が入り,熟すと径3cm程の鮮やかな橙赤色になる。葉や茎に鋭いトゲがあるので注意。和名は白緑と赤橙色の実を金と銀に見立てて「金銀ナスビ」の名がある。
ギンナンナスビ
ポイントのGIFフウトウカズラ (こしょう科,花期4~5月,果期12~2月) [永田]
フウトウカズラ
ポイントのGIF海岸近くの林内に生える常緑のつる植物。茎から根を出し,木や岩にはい上がる。葉は卵形で先がとがり,対生につく。春,枝先から黄白色の穂状の花序を多数垂らす。冬になると実が熟し,赤橙色の実を房状につける。冬の緑の中に,赤い実はひときわ目立つ。実の中の種子をかむとコショウの味がする。
ポイントのGIリュウキュウアオキ(ボチョウジ)
(あかね科,花期8~9月,果期10~12月) [尾之間]
ポイントのGIF山野や野原に普通に生える多年草。高さ50~60cm程,よく枝を分け,葉は互生で長楕円形。
 夏頃,葉の脇から淡黄色のナス科特有の花を数個つける。晩秋,径7~8mmの真っ赤に熟れた果実を多数吊り下げて美しい。
 和名は,ホオズキに似て,果実が袋状のがく片に包まれず,裸のように見えることから「裸ホオズキ」。ヤクスギランドには低地からの移入。
リュウキュウアオキ(ボチョウジ)
ポイントのGIF その他

低地
(花)
ホソバワダン  ・ヤクシソウ ・ツワブキ
・サツマサンキライ  ・シロノセンダングサ
サキシマフヨウ  ・ダンドク
・ツルソバ  ・サツマノギク  ・クマノギク
・ツルマオ  ・アキノノゲシ ・ウスベニニガナ
・ミゾソバ  ・スイカズラ  ・キツネノマゴ
・ムラサキカッコウアザミ
・クワイバカンアオイ  ・ダンチク  
・ササキビ ・キジムシロ  ・ゲンノショウコ

(実)
・アキグミ  ・オオカラスウリ
・オオムラサキシキブ  ・マサキ
・モクタチバナ  ・アマクサギ  
・シャシャンボ  ・フカノキ 
・シマイズセンリョウ
・シャリンバイ  ・アオノクマタケラン
・マルバニッケイ  ・トベラ ・ケウバメガシ
・ハマビワ ・アコウ など

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◆屋久島【12月】の低地~低山地で見られる植物◆
(標高500m以下) 

ポイントのGIFキダチチョウセンアサガオ (なす科,花期ほぼ1年中) 宮之浦
キダチチョウセンアサガオ
ポイントのGIF熱帯アメリカ原産の常緑低木。高さ3~4m程。明治の末頃渡来,庭木として栽培され,屋久島では人里周辺のやぶで野生化している。茎は柔らかく折れやすい。長楕円形の大きな葉を枝先に広げ,芳香のあるラッパ状の白い花を下向きにつける。しぼむと淡紅色を帯びる。屋久島でほぼ1年中花をつけている。別名「ダチュラ」(属名),英名「エンジェルトランペット」。有毒。
ポイントのGIムラサキカタバミ (かたばみ科,花期ほぼ1年中) 永田
ポイントのGIF南米原産の帰化植物。地下の小球根で増える多年草。畑や道脇,石垣などどこでも生える。葉は3枚の逆さ心臓形,葉の一方が欠けてみえるので「傍食」(かたばみ)。
 長さ10cm程の花茎を傘状に伸ばし,ピンク色のきれいな花を多数つける。普通のカタバミは花が黄色だが,紫の花が咲くことから「紫カタバミ」の名がある。花はきれいだが,繁殖力が旺盛で一度畑地に侵入すると除草が困難である。
 戦後,屋久島に帰化したという。別名「落下傘花」。
ムラサキカタバミ
ポイントのGIFシラタマカズラ (あかね科,花期6~7月,果期11~2月) 原
シラタマカズラ
ポイントのGIF海岸から低山の樹林内に生えるつる性の常緑低木。つるから短い根を出し,岩や樹幹,地面の上をはう。葉は卵形で対生し,2列に並ぶ。夏,枝先に集散花序を出し,白い小花を多くつける。冬に径5~6mmの真珠のような丸い実をつけることから,和名「 白玉カズラ」。実は苦く美味しくないので「童泣かせ」(ワラベナカセ),岩にはうので「岩伝い」(いわづたい)の名もある。
ポイントのGIマンリョウ (やぶこうじ科,花期7~8月,果期12~2月) 原  
ポイントのGIF低地や山地の林内に生える常緑低木。センリョウと並んで正月の縁起植物。高さ1m程,葉は濃緑色で長楕円形,革質で光沢がある。縁には波形の鋸歯がある。屋久島では海岸林から標高500m付近まで分布する。夏,枝先に白い小花をつけ,冬に径7mm程の赤い実を下向きにつける。和名は「万両」。庭木としても植える。
マンリョウ
ポイントのGIFフユイチゴ (ばら科,花期8~10月,果期12~1月) ヤクスギランド線
フユイチゴ
ポイントのGIF山地の樹陰などに生えるつる性の常緑低木。トゲはほとんどなく全体に細毛を密につける。葉は長さ5~10cm程のハート形で浅く5裂する。
 秋頃,径1.5cm程の白い花を咲かせ,冬に赤い小さな実をつけ,食べられる。冬に実をつけるので「冬苺」(ふゆいちご)の名がある。別名「寒苺」(かんいちご)。標高500m以上には,葉が丸く全体小形の「マルバフユイチゴ」がある。

低地~低山地
(花)
・オトコエシ ・チャノキ ・ヤクシマノギク
・ススキ ・ヤクシマカンアオイ ・ヒメジソ
・カンツワブキ

(実)
・クマノミズキ ・アカメガシワ
・イズセンリョウ ・イヌザンショウ ・イイギリ
・タシロルリミノキ  ・ツルコウジ
・サネカズラ ・サカキカズラ
・キジョラン ・カラタチバナ など

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◆屋久島【12月】の中山地~高地で見られる植物◆
(標高500~1900m付近) 

ポイントのGIFその他

中山地~高地
(花)
・ヤクシマナミキ ・ホソバハグマ
・キッコウハグマ ・コナスビ ・オニクロキ

(実)
・ナナカマド ・アオキ ・コバンモチ
・ヤクシマオナガカエデ ・ユズリハ
・ヤクシマツルリンドウ ・ミヤマシキミ
・メギ ・イソノキ ・アデク
・テンナンショウ ・ヤマグルマ
・アクシバモドキ ・ヒメカカラ
・ヒメツルアリドオシ
・サルトリイバラ など

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