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屋久島の植物ガイド

毎月,その月に屋久島で見られる植物を紹介します。この植物ガイドはその月の実際の調査結果に基づき,海岸や道路沿い,林道や登山道などで,花や実の見られる主な植物を紹介します。(屋久島環境文化財団発行「屋久島の植物ガイド」より)


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屋久島の植物ガイド【6月】
この月の様子 植物相 里地 海岸 低地 低山地 中~高山地

◆ 屋久島の【6月】 ◆


6月は梅雨。長雨と湿気で私たち人間にとっては少々うんざりする時期ですが,動物や植物にとっては生命の恵みをもたらす大切な雨です。濃緑の葉に滴る雨は大地を潤し,太陽の恵みを受け,また循環の旅に出ます。しかし,時に1日1000mm以上の降雨もあります。登山では特に注意しましょう。
さて,屋久島は日本一のアカウミガメの上陸産卵地です。6月から7月は産卵のピーク,永田のいなか浜など島内の砂浜では上陸を見ることができます。また,近年,屋久島ではホタルの姿も見られるとか・・・・。樹間を飛び回るツマベニチョウやアサギマダラなど,虫たちの活動も活発です。
さあ,梅雨の晴れ間には外に出て,自然を楽しんでください。
山頂のヤクシマシャクナゲ

山頂を彩るヤクシマシャクナゲ
(宮之浦岳登山歩道)


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◆ 屋久島【6月】の植物相 ◆

ヤクシマダケ草原帯
1800m以上
  山頂部は新緑に覆われ,ヤクザサ帯にはヤクシマシャクナゲの花が咲きほこる。足元に特産種の小さな花を見つけよう。
スギ樹林帯
800mから1800m
 スギに混じってモミ,ツガなどの,針葉樹やヒメシャラ,ヤマグルマなどの広葉樹が生える。登山道ではハイノキ,サクラツツジ,フタリシズカ,ナナカマド,ヤクシマミヤマスミレなどの花が見られる。
照葉樹林帯
0~1000m
 スダジイやアカガシなどの常緑広葉樹林は,すっかり濃緑色の葉で覆われ,深い森を形成する。花は,ヤクシマアジサイ,ツルアジサイなど。実はホウロクイチゴやヤクシマキイチゴなどが熟す。
海岸~低地
0~100m
 暖かい海岸付近や低地では,亜熱帯性のハイビスカスやカイコウズの花が盛り。
 アジサイ,コオニユリなどの花の他,モクタチバナ,ウラジロフジウツギなどの樹木の花々も盛りです。

山の図

標高差図

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◆屋久島【6月】の里近くでみられる植物◆

ポイントのGIFアジサイ ゆきのした科,花期6~7月 低地 [安房前岳]

アジサイ
ポイントのGIF梅雨時期の花として最もなじみ深い花で,様々に色を変えることから「七変花」(しちへんげ)とも呼ばれる。「紫陽花」は漢名アジサイは日本特産のガクアジサイを母種として改良された園芸品種。花弁と思っているのは発達したがく片(装飾花)である。屋久島には,ヤクシマアジサイ,コガクウツギ,ノリウツギ,ツルアジサイの4種が自生している。
ポイントのGIFコオニユリ ゆり科,花期6~7月 低地 [楠川]
ポイントのGIF日当たりのよい山野に生える多年草。高さ1~1.5m。オニユリは葉の脇にむかごがつくが,この種はつかない。
 茎の先に2~10個の黄赤色の花を下向きに咲かせ,花弁には紫黒色の斑点がある。花は切花に,鱗茎(りんけい)は食用になる。方言「ヤマユイ,オニユイ」。

コオニユリ
ポイントのGIFモクタチバナ (やぶこうじ科,花期6~7月 低地 [宮之浦]

モクタチバナ
ポイントのGIF低地の林内に生える常緑の小高木。高さ5~6m程。葉は長さ10~15cmでやや厚い枝の先に半球状の花序を出し,薄紅色~白色の小さな花を多数つける。花が木全体を覆うその姿は実に見事で,6月を代表する樹木の花である。
花後,径7~8mmの球果が緑色から赤く熟れ,後に暗紫色になる。方言「アクチ」。
ポイントのGIFタケニグサ けし科,花期6~7月 低地~低山地  [宮之浦]
ポイントのGIF山野の日当たりのよい荒地に生える多年草。高さ1~2m,葉は大きく,裏面は粉白。茎の先に大形の円錐花序を作り,多くの白い小さな花をつける。
和名は「竹似草」で,茎が中空で竹に似るとこによる。葉や茎を切ると黄色い汁が出る。服や手につくとなかなか落ちない。殺菌力があり,有毒である。

タケニグサ

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◆屋久島の【6月】海岸付近で見られる植物◆
(標高0~100m)

ポイントのGIF その他

海岸~低地
(花)
・サクララン ・シャリンバイ ・ノアサガオ
・マルバニッケイ ・ウラジロフジウツギ
・クサトベラ ・クワズイモ ・コンロンカ
・モミジバヒルガオ ・アオノクマタケラン
・オオキダチハマグルマ
(実)
・ヤマグワ ・フウトウカズラ ・ハマビワ
・サツマサンキライ など
海岸 (花)
・ハマナタマメ ・ハマニガナ ・ハマボッス
・ハマボウフウ ・ボタンボウフウ
・オイランアザミ ・ハマナデシコ
・ハマボウ など

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◆屋久島【6月】の海岸~低地で見られる植物◆
(標高0~100m) 
ポイントのGIFその他

海岸~低地(標高0~100m)
(花)
・クマノギク   ・ナワシロイチゴ
・クマタケラン ・ツルマオ
・ツユクサ ・ツルソバ ・ゲットウ
・ヒメヒオウギズイセン・オオムラサキシキブ
・ニワゼキショウ ・ベニバナボロギク
(実)
・ホウロクイチゴ ・オオバヤシャブシ
・ヘビイチゴ ・アオモジ など

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◆屋久島【6月】の低地~低山地で見られる植物◆
(標高500m以下) 

ポイントのGIFアブラギリ  とうだいぐさ科,花期5~6月 [宮之浦]
ポイントのGIF中国原産で種子から桐油(とうゆ)を取るために江戸時代に持ちこまれた。低山地に生える高さ10mにもなる落葉高木。葉は長さ15~20cmと大形,葉脈がはっきりしており,先端が3つに切れ込む。
 径3cm程の白い花が木を覆うばかりに見事に咲く。花後,直径2~3cmの緑色の実がつく。中の3個の種子は有毒である。
アブラギリ
ポイントのGIFテイカカズラ きょうちくとう科,花期5~6月 [宮之浦]
テイカズラ ポイントのGIF山野に生えるつる性の常緑植物。着生根で樹幹にはい上がり,10m以上にもなる。葉は対生,長さ4~6cmの長楕円形で先はとがる。革質で表面はテカテカしている。枝の先に径2cm程の白い花をまとまってつける。
花冠は5裂し,風車のように見える。
 和名は,歌人「藤原定家」の墓にこのテイカカズラ草が絡みついていたことによる。
ポイントのGIFアカメガシワ とうだいぐさ科,花期5~7月 [永田]
ポイントのGIF山野に普通に見られる落葉低木。高さ10m程にもなる。雌雄異株。伐採跡地に最初に侵入し,生育は旺盛。樹皮は褐色若い枝には赤みがある。新芽(若葉)が赤いことからこの名がある。
 葉は互生し,広卵形。雌花は黄緑色の小花が円錐状につき,雄花は放射状に枝分かれする。花後,柔らかいトゲのある緑色の実をつける。樹皮は健胃剤となる。
アカメガシワ
ポイントのGIFその他

低地~低山地
(花)
・クマノミズキ ・ホソバタブ ・ゴンズイ
・コガクウツギ ・スイカズラ ・フトモモ
・アカメガシワ ・アブラギリ ・ヤマビワ
・ヤクシマサルスベリ ・ウラジロエノキ
(実)
・タブノキ・エゴノキ ・リュウキュウイチゴ
・ヤマモモ・イヌビワ  など

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◆屋久島【6月】の中山地~高地で見られる植物◆
(標高500~1900m付近) 

ポイントのGIFクマノミズキ みずき科,花期5~7月 [平内]
クマノミズキ ポイントのGIF山地に普通に生える落葉高木。高さ10m前後,屋久島では低地の林内から標高1000m付近まで分布する。葉は長さ10cm程,脈がはっきりしている。枝先に散房花序をつけ,4弁の白い花を多数咲かせる。
 和名は「水木」で,水分が多く,枝を折ると樹液が滴ることによる。クマノは和歌山県熊野で発見されたことによる。
ポイントのGIFリョウブ  リョウブ科,花期6~8月,ヤクスギランド線
ポイントのGIF山地に生える落葉小高木。屋久島では標高500~1600m付近の登山道脇にみられる。高さ5~7mで,幹はなめらかで茶褐色,枝葉は輪状にでる。葉脈ははっきりし,葉柄が赤みを帯びる。
 枝の先に長さ10cm程の総状花序を出し,白い小さな花を蜜につける。チョウやガがよく吸密しているのを見かける。

リョウブ

ポイントのGIFヤクシマキイチゴ ばら科 ,花期3~4月,果期5~6月 ヤクスギランド線
キイチゴ ポイントのGIF屋久島の固有種で,標高500~1500m付近の林道脇に普通に見かける。高さ1~2m。葉は先端が3~5つに切れ込み,葉脈が赤い。
 よく似たリュウキュウイチゴは,葉に切れ込みが少なく,標高500m以下に分布するので区別できる。径2cmの白い花の後,黄色い実が熟し食べると甘い。
ポイントのGIFヤマボウシ みずき科,花期6~7月 ヤクスギランド内
ポイントのGIF屋久島を分布の南限とする落葉高木。 標高500~1700m付近の林道や登山道脇に見られる。高さ5~6m,葉は対生で,短い柄があり,葉脈に沿って葉が波打つのが特徴。
 枝先に長さ10cm程の柄を立て,集合花 をつける。白い花びらのように見えるのは4枚の総苞片(そうほうへん)。果実は径2cm程で,赤く熟し食用になる。

ヤマボウシ

ポイントのGIFツルアジサイ(ゴトウヅル)ゆきのした科,花期6~7月[ヤクスギランド]
ツルアジサイ ポイントのGIF屋久島を分布の南限とする落葉高木。 標高500~1700m付近の林道や登山道脇に見られる。高さ5~6m,葉は対生で,短い柄があり,葉脈に沿って葉が波打つのが特徴。
 枝先に長さ10cm程の柄を立て,集合花 をつける。白い花びらのように見えるのは4枚の総苞片(そうほうへん)。果実は径2cm程で,赤く熟し食用になる。
ポイントのGIFギンリョウソウ いちやくそう科,花期6~7月 [ヤクスキランド内]
ポイントのGIF暗い原生林内に生え,人目にも触れず落葉を栄養として生きている腐生植物。高さ10~15cm,全体が銀白色で,葉はウロコ状で退化して小さく,花は茎の先に1個,筒状の花を下向きにつける。
 和名は「銀竜草」で,葉のリン片や花全体の形が竜に似ていることによる。また,ロウ細工のようにも見えることから方言「幽霊草」(ゆうれいそう)。

ネズミモチ

ポイントのGIFフタリシズカ せんりょう科,花期5~6月 [淀川登山口]
フタリシズカ ポイントのGIF屋久島を分布の南限とする多年草。高さ30~40cm程,茎の上部に対生する2対の葉がつく。葉は長さ10cm程。茎の先に長さ5~6cm程の花穂を(2~4)本出し,1本のヒトリシズカに対して,フタリシズカの名がある。花にはがくも花弁もない。屋久島では標高1000m以上の登山道脇でよく目にする。
ポイントのGIFヤマグルマ やまぐるま科,花期5~6月 [小花之江河付近]
ポイントのGIF山地に生える常緑高木。高さ10m前後多雨で湿度が高い屋久島では,ヤクスギなどに着生しているのが多い。成長と共に根が宿主を締め付け,絞殺木と呼ばれる。初夏,枝先に黄緑色の花をつける。
山に生え,革質で光沢のある葉が枝先に車輪状につくことから,和名「山車」樹皮からトリモチを作るので別名「トリモチノキ」。

ヤマグルマ

ポイントのGIFヤクシマミヤマスミレ すみれ科 花期5~7月 [小花之江河付近]
ヤクシマミヤマスミレ ポイントのGIF屋久島の固有変種。標高500~1700m付近の林道や登山道脇のやや湿った場所に見られる。高さ2~3cm程で,葉は長さ1cm程のハート形,茎の先に薄白紫色の花をつける。花弁に紫色のスジが目立つ。屋久島の高所には,1600m付近の高層湿原のミズゴケに混じって咲く小形のコケスミレもある。
ポイントのGIFヒメコナスビ さくらそう科,花期6~7月 [ヤクスギランド]
ポイントのGIF屋久島の固有変種。コナスビの矮小種。標高1600~1700m付近の湿原や登山道脇に多い。長さ3cm程,全体小形で,柔らかく,葉は5mm程。葉のつけ根に径1cm程の黄色い花をつけ,とても可愛い花である。
平地には,一般種でやや大形のコナスビが普通に見られる。

ヒメコナスビ

ポイントのGIFヤクシマシャクナゲ  つつじ科,花期5~6月 [宮之浦岳]
ヤクシマシャクナゲ ポイントのGIF標高1000m以上に生える常緑低木。葉裏の綿毛が密で長く,葉も小型で,シャクナゲの変種とされ,屋久島の特産種。
 高さ2~3m程で,紅色や桃色の花をつけ盛りを過ぎると純白になる。花びらは5枚。
古くから岳参りの手土産としてその蕾(つぼみ)を手折って持ち帰り,親類に配った。
山岳信仰と相まって貴品の高い崇高な花である。屋久島町の町花。
ポイントのGIFその他

中山地~高地
(花)
・ハイノキ ・マルバフユイチゴ
・サクラツツジ ・マルバヤマシグレ
・ツクバネソウ ・チャボシライトソウ
・ナナカマド ・オオカメノキ
・コケスミレ ・アオツリバナ
・ヤクシマカラスザンショウ
(実)
・テンナンショウ
・サルトリイバラ
・ユズリハ
・アオキ
・アセビ

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