
本年度,第1回目の屋久島研究講座を京都大学グローバルCOEプログラム「生物の多様性と進化研究のための拠点形成-ゲノムから生態系まで」の研究者の方々と合同主催として実施することができました。
この講座は大盛況で終了いたしました。たくさんのご参加ありがとうございます。
日時 平成20年9月12日(金) 19:00~(開場は18:30)
場所 屋久島環境文化村センター (宮之浦)
講演内容
講演1 長い「鼻」のゾウムシとリンゴツバキの共進化
屋久島のツバキの実はなぜ大きいか
<講 師>
東樹宏和(とうじゅひろかず)氏
産業技術総合研究所(日本学術振興会特別研究員として)
<講演趣旨>
ヤブツバキという植物とその種子を食べてしまうツバキシギゾウムシという昆虫の間でくり広げられる進化の攻防戦(共進化)についてお話しします。
お話しするゾウムシの雌は、口が象の鼻のように長く、その口の先端についたドリルで、ツバキの果実に穴を開け、果実内の種子に産卵します。一方で、このゾウムシによる攻撃を避けるため、ツバキは種子を守る壁(果皮)の部分を厚く進化させるのが有効であると予想されます。
今までの研究から、このゾウムシはますます長い口を進化させ、ツバキも負けじと厚い果皮を進化させ、体長の2倍にもなるゾウムシの口と、リンゴのように大きなツバキの果実が共進化してきたことが明らかになってきました。
屋久島でみられる「リンゴツバキ」とよばれる大きな果実のツバキは、ゾウムシとの関係を通じて分厚い「鎧」を進化させてきたのです。
<プロフィール>
1980年 新潟県に生まれる。
2003年 京都大学理学部卒業
2005年 京都大学理学研究科修士課程修了
2007年 九州大学理学研究府博士課程修了
2008年 日本学術振興会特別研究員(産業技術総合研究所にて研究中)
講演2 ふしぎな毒きのこの世界
<講師>
横山和正(よこやまかずまさ)氏
滋賀大学教育学部(名誉教授、非常勤講師)
<講演要旨>
菌類のなかでも進化した高等菌類(いわゆるきのこ類)の分類や生態の研究をおこなっています。中毒すると手足がしびれ、幻覚を引き起こす幻覚性きのこの仲間であるシビレタケ属を中心に研究し、それに
基づき、きのこ中毒の防止にも努めてきました。
菌類の自然界における役割などもふくめ、食用きのこや毒きのこ、屋久島で見られる代表的なきのこなどを,少し広い視点からお話しします。
<プロフィール>
1941年 広島県に生まれる。
1964年 鹿児島大学農学部卒業
1972年3月 京都大学大学院博士課程修了(応用植物学専攻)
1972年4月 日本学術振興会奨励研究員(京都大学にて研究)
1973年4月より 滋賀大学教育学部生物学研究室に講師として勤務
1975年9月 同大学(助教授)
1998年4月 同大学(教授)
2007年3月 定年退職(名誉教授)
2007年4月より 同大学非常勤講師 現在に至る。
参加料:無料
その他/留意点
○会場準備のため,事前にご予約をお願いしています。
○当日でも参加できますが,座席数の都合によりキャンセル待ちや立ったままでの聴講をお願いすることもあります。
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